神前式は明治時代のご成婚の儀がもとになっている

神道をベースにしている神前式の結婚式。この挙式スタイルは、明治時代に大正天皇(当時は皇太子)が挙げたご成婚の儀をもとにして考案されたものです。キリスト教式では家族や親族が先に着席していますが、神前式では新郎新婦→両親→親族の順番で神殿に入り着席していきます。全員が席に着くと斎主が祓い詞(はらいことば)を読み上げ、大麻(おおぬさ)と呼ばれる棒を振りながら参列者一同を祓い清めます。その後も斎主は神殿に向かって新郎新婦が幸せであり続けることを祈ります。この一連の流れは“修祓の儀(しゅうばつのぎ)”と呼ばれています。

修祓の儀の次は“三献の儀(さんこんのぎ)”が行われます。これは盃につがれたお酒を三口で飲む儀式です。三三九度の盃を交わすことで、新郎新婦に永遠の契りが結ばれるといわれています。

玉串拝礼にまつわる不安は事前リハーサルで解消しよう

盃を交わした後に行われるのは“玉串(たまぐし)拝礼”です。玉串を手に持った新郎新婦がそれぞれの玉串を祭壇の前にある玉串案へ捧げます。捧げた際には、新郎新婦が“二拝二拍手一礼”をします。この儀式では玉串の葉元を支える手や根元を回す角度などについての細かいルールがあり、難しい所作もいくつか含まれているため、事前にリハーサルが実施されることがほとんどです。指輪の交換は玉串拝礼の後に行われるのが一般的ですが、神社によっては三献の儀の後に行われることもあります。また広いスペースのある神社では、巫女の舞や雅楽の演奏などが演出として加えられることがあります。 神社の神殿はホテルや教会よりも収容できる人数が少ない傾向があるため、神前式では友人を招待せずに親族のみが参列するケースも多くなっています。